レンタルジムとは個室のジムを1時間1500円~2500円程度で時間貸しをするサービスです。
事業としてレンタルジムに取り組む場合には、しっかり利益が出るような形にしなくてはいけません。
上手くやれば1ルームでも月に30万円~40万円以上売り上げることも可能です。
この記事ではレンタルジムで儲かる為のポイントを解説していきます。
レンタルジムで儲かるなら需要の多いエリア
レンタルジムはお客さんの多いエリアに出店するのがベターです。
基本的には乗降者数の多いターミナル駅が強いです。
主にパーソナルトレーナーさんが指導場所として使うため、多くのお客様が獲得し易いエリアになります。
競合の少ないエリアも儲かる
ただ、需要が多いエリアは競合店も多い場合もある為、少しずらして競合店の少ないエリアに出すというのも儲かりやすいです。
渋谷や新宿は需要も多いものの、既に10店舗以上のレンタルジムがひしめいています。
ジムカリでの実例だと、大塚は結構レンタル利用は多くあります。ただ、同じように競合が少ない白金高輪では少ないというデータがあります
パーソナルトレーニング需要で言えば白金高輪の方がありそうなのですが、レンタルでは違うようです。
レンタルジムの差別化で儲かる
レンタルジムは基本的に大きな差が付きにくいサービスです。
機材は買えば同じものがすぐに手に入り、広さも1~3名程度の利用なら広くなくても大丈夫です。
揃えるべきポイント
- 器具
- 広さ
- 料金
この3つはレンタルジム運営をする際に、他社と揃えた方が良い点になります。
器具
器具は買えばいいだけで、人気のある最高級のものもそれほど高いわけではありません。
100~150万円くらいで揃います。家庭用中心に50万円くらいでも揃いますが、トレーナーさんが使う場合家庭用では避けられてしまいます。
広さ
広さは狭すぎるとNGになってしまいます。トレーニングスペースとして15㎡くらいあれば十分でしょうか。逆に1~3名なら50㎡以上あっても持て余してしまいます。
料金
料金は基本的に横並びになりがちです。
安くすれば利用者は増えますが基本的にはレンタルジムで貸し出せる枠は決まっているので、安いジムがその地域で総取りになるということもありません。
地域で月に1000時間の予約があり、激安ジムに入るのはそのうち200時間程度でしょう。残りの800時間は他のジムに流れざるをえません。
安くても利益にならず、長期的にはメンテナンスなどの費用で厳しくなるため、基本的にはその地域の家賃相場に合わせた金額になっていくと思います。
レンタルジムの差別化し易いポイント
というわけで、レンタルジムで差別化して少し高い料金を実現したり、より予約が入るようにするにはどのような点を押さえるといいのでしょうか?
ジムカリでの250店舗以上のデータなどから分析すると、以下の要素が重要ではと思います。
- 内装
- 部屋数
- 立地
レンタルジムの内装
レンタルジムで一番差がつくとしたら内装です。
パーソナルジムの場合は指導力やサービスの重要度もありますが、レンタルジムはそこが関係ないので設備の問題となります。
しかも器具は前述のとおり、差が出ないことが多いので、そうなった場合には内装しかありません。
- ホテルのような高級感のあるジム
- 落ち着いた木のぬくもりのあるナチュラルテイストなジム
このようなジムは人気があります。特に撮影だったり、インスタ用の写真を撮るだったりというのをしたいトレーナーさんには人気があります。
お客様を連れて指導するという利用方法的にも、なるべく綺麗とかおしゃれという雰囲気があるのが望ましいです。
自分の場所では無い所を使っているというのは、不便な点も勿論あるので、その分価値を高めて上げた方が利用されやすいと思われます。
レンタルジムの部屋数
レンタルジムの場合、基本的には同じジムをリピートすることが多い傾向にあります。
その為、同じ場所で1つではなく、2部屋以上あると利用しやすくなります。
予約が取れなかったから、行ったこともないジムを探すというのは意外と手間がかかります。
ビッグターミナルなら、3~5部屋くらいは作ってもいけるかもしれません。オープンスペースで3組というのも、混んでると使いにくいですが悪くないかもしれません。
レンタルジムの立地
立地も差別化できる要素です。
駅から10分歩くジムと、駅前なら駅前の方が使いやすい人が多く居ます。
特にパーソナルトレーニングでの利用の場合、レンタルジムがあまり各地に無いこともあって、トレーナーもお客さんも電車で来ることが多いです。
5分以内なら使いやすい所になると思いますが、10分くらいになると近隣に住んでいるなどの理由が無いと難しいかもしれません。
レンタルジムの料金の設定
レンタルジムは料金で集客力が大きく違います。
個人はまだしも、予約の大半を占めるトレーナーの利用の場合、多い場合は月に50時間を超える人たちがいます。
場所を持たないフリーランスなので、そのくらいはいますよね。逆にコンスタントに100時間超えまできてしまうと、さすがに自身の拠点を開くので、100時間以上という人は少ないです。
大まかには以下のような価格戦略になるかと思います。
- 格安1650円(税込)
- 標準2200円(税込)
- ハイグレード2750円(税込)
- 規模大きめのグループレッスン、撮影向け3000円~
格安1650円/60分
60分1650円の価格は格安です。
家賃の安い東京都心以外か、手数料のかかるプラットフォームや広告を使わなくても埋められるくらいマーケティングに自信のあるところが運営するなどで実現可能です。
予約を多く埋めないといけなくなるので、空き時間が少なくなり、利用者の満足度も下がる為、1650円の設定は慎重になる必要があります。
ジムカリでのデータとしては、1650円と2200円のジムだと、2200円の方が入っているケースがいくつもあります。
これはトレーナーの場所代としては2200円でも許容範囲内であるということと、場合によってはそもそもお客様負担の為、それなら綺麗なジムを使おうとなっているのかと思います。
もちろん、高品質で1650円ということなら、どんどん予約も埋まると思うので、それで利益が出るような構造(家賃が安いとか)なら挑戦してもいいと思います。
ちなみに、予約を多く埋めるとなると、機材や内装の劣化も早いので、そこは注意が必要です。
2200円/60分
60分2200円は標準価格として定着してほしい価格帯です。
このくらいの価格ですと、繁盛店では月に20~40万円程度の売り上げになり、事業としてレンタルジムに取り組むことができます。
先ほども書いた通り、2200円はトレーナーの場所代としては許容範囲であるため、その範囲内なら良い設備のジムをとなると選ばれやすくなります。
個人利用の場合も、週1回なら8800円と許容範囲かと思います。24時間ジムが混んでいるので、スクワットやベンチプレスを長時間やりたい場合に、週1回や2回だけレンタルジムを借りるという使い方も広がりそうです。
また、2人以上でレンタルジムを使いたい場合には、ジムカリですと料金も変わらない場合が多いので、1人1100円で使えます。3人なら700円弱です。
公共施設よりは高いかなというところですが、週1回等の合同トレーニングとしては良いのかなと思います。
2750円/60分
60分2750円くらいになると結構負担はあるのですが、パーソナルジムがメインの事業で、広々として機材も多いなどの場合には需要があります。
パーソナルジムはほとんど内装費をかけないケースもあれば、内装で1000万近くかけたジムもあります。
そういったハイクオリティな内装や設備を使えるというプレミアムで、お客様の満足度を上げたいトレーナーさんなどが利用します。
またはその周辺にレンタルジムが無いという場合にも多少高くても利用されることはあります。
3000円~/60分
60分3000円を超えてくる場合、その地域に1店舗しかないケースを除けば、3名以上で使う場合などになります。
パーソナルトレーナーは6000円~8000円くらいにほとんどのトレーナーが居るので6000円の場合半分を場所代というのは少し負担が大きすぎます。
合同トレーニングだったり、研修、撮影などで広めや機材の多いジムが使われるケースはあります。
お客さん負担などの場合なら利用もあるとは思いますが、この料金で何名もお客さんを取ってくるのは結構大変です。
ジムカリの実例でも、家賃の高いジムなどで最初は60分3300円でやると言っていたものの、予約が入らず、2200円に下げたらコンスタントに予約が入るようになったというケースがあります。
集客方法
集客については、弊社も「ジムカリ」というレンタルジムの検索・予約のポータルサイトを運営しているので手前味噌ではありますが、このようなサービスに登録するのが間違いありません。
これには2つ理由があります。
- 圧倒的な集客力
- お客さんの離脱を防げる
- お客さんが流れてくる
圧倒的な集客力
①の集客力については、ポータルサイトの集客力はレンタルジムの収益構造上、あまり広告費をかけることができません。
その為、SNSなどで宣伝を繰り返したりするのですが、それも手間がかかってしまいます。
ポータルサイトなら、様々なエリアを中心に広告を出している他、掲載数が多い為SEOも強く、検索からも多くのお客様が流入します。
お客さんの離脱を防げる
②のお客さんの離脱を防げるというのは、レンタルジムの場合離脱のほとんどは予約が取りにくくなったからです。
オープンしたばかりのジムなどは半年から1年くらいは予約も埋まらないので使いやすく、混んでいるジムから乗り換えたら戻ってくることはあまりありません(実際に何度も経験しました)
ポータルサイトの場合、メインとサブを行き来しており、厳しくても近隣のレンタルジムを使うなど柔軟に対応しているようです。
お客さんが流れてくる
自社で集客する場合、離脱も一定数ある中で新規集客も行わなくてはいけません。
ポータルサイトでの離脱が少ない点をメリットにあげましたが、同じ理由で他のジムのお客さんが流れてくるというメリットもあります。
立地や設備で他のジムの方がいいと思ったけど、予約の関係などで流れてきます。
同じポータルサイト内の方が流れてきやすいので、単独で運営しているのと比べて安定し易くなります。
集客の面で良い点が多いポータルサイトですが、デメリットもあります。
それは手数料です。売上の30%前後を手数料として取る仕組みの為、この分は広告費と割り切りましょう。
直接契約で手数料を払わないようにするというのも横行していますが、規約違反でBANされる、リピート率が低いとそもそも掲載順位を下げられて新規申し込みが入りにくくなってしまいます。
ジム専門の「ジムカリ」、総合的なレンタルスペースサイトの「スペースマーケット」「インスタベース」の3つを登録しておくといいでしょう。その他のサービスも集客が無いわけではないので登録しておいても損はありませんが、掲載、更新や管理に手間がかかるので要検討かとは思います。
レンタルジムは結局いくら儲かるのか
レンタルジムの予約数の上限は150~250時間くらいです。
弊社で運営しているジムですとコロナの際に1部屋で1か月60万円という売上を経験したことがありますが、さすがにこれは特殊な例です。
まずは150時間くらいを目指して取り組むのが良いと思います。
これ以上は、トレーナー利用だけだと埋まりにくいので、個人利用も増やしていくと無駄なく埋まりやすくなります。
1時間2200円の設定で150時間だと33万円くらいが売上になります。
200時間くらいの繁盛店を作れると、かなり利回り良く運営できます。
パーソナルジム併用で収益アップ
自身がトレーナーの場合、レンタルジムとパーソナルジムを併用するのもありです。
そうでなくても、パーソナルジムのFCに加盟というのも検討可能かと思います(レンタルジム併用という内容で承認してもらう必要があります)
ただし、その場合には無人運営というわけにもいかなくなるので、手間は増えるケースも多くなるとは思います。
家賃分程度をレンタルジムで10~15万円くらい(50~75時間程度)稼ぎつつ、パーソナルジムとして80~100万(100時間~120時間)売り上げるという割り振りは、無理なく時間を使えるかなと思います。
人件費や広告費次第ですが、レンタルジムのみと比べて2倍以上の利益を残せるのではと思います。
また、ターミナル駅でない場合、レンタルジムのみで予約を埋めるのは難しい可能性もある為、住宅地でのニーズもあるパーソナルジムを併設することで、売り上げの安定を狙います。
レンタルジムは真似されやすいビジネスではあるのですが、ある程度専門的な機材を専門家向けに作る必要がある関係で、ちゃんと作れば割と勝てるビジネスです。
売り上げもあまり季節で上下せず、安定する傾向にあるので、ジムを運営してみたいという方には、まずはレンタルジムからスタートするのをおすすめします。
レンタルジム開業相談
弊社では無料の開業相談なども行っております。
既に開業されている方など、どのような方でもお気軽にご相談下さい。
私たちのミッションは日本中にレンタルジムを作り、トレーナーさんが自由に活動できるようにすること、また、じっくりトレーニングしたい個人ユーザーのトレーニング場所を作ることです。
興味がある方は是非よろしくお願いいたします。